商業施設研究 英国の街づくり

 ロンドンから北に約250キロ、ノッティンガムがあります。

 

 日経流通新聞(1998/07/23)に中心市街地再生に向けて英国の現場から(2) ノッティンガム――都心を一つのSCに」という記事が出ました。わが国の街づくりの制度であるTMOをスタートするときに参考の1つにしたといわれている商業施設です

 イギリスの場合、土地の値段はほとんど上がらないけれど、建物は古くなるほど価値が出る(読むクスリ25「英国版・三方良し」)ので、日本とは街づくりの考え方が天と地ほども違ってしまいます。

 当然、商業施設を中心とした街づくりの方法も異なってきます。

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 パンフレット(NOTTINGHAM City Centre Profile)によると、ノッティンガムはイングランドでもっとも注目されている商業施設になっています(あぶない翻訳してみました)。


シティセンターマネジメント(CCM)マネージャのジェインさん(JANE ELLIS)さんにインタビューしました。それを簡単にまとめると次のようになります。

 ノッティンガムはレース編み物とシャーウッドの森のロビン・フッドが有名です。レース市場が活発な時代は繁栄しましたが、安価な外国製レース編み物との競争によってレース工業が衰退し、工場が郊外に移転しました。
 1980年代に近郊に小さいショッピングセンターができたために、ノッティンガムの商業は大きな打撃を受けました。
 1990年代にはシェフィールドとフォスパークにショッピングセンターができるということで、1991年商業者たちがマネジメント・イニシアチブを始めました。そのときに3つの目標を掲げました。
   1.街の中を活性化する(交通、古い建物など)
   2.商業の街の質を高めるために、人気のあるデパートに来てもらう
   3.文化的観光的に魅力ある街にしよう
 当市が有利なことは、商店と観光地があったことですが、まずかったことはマーケティングのやり方でした。
 もうひとつ有利な点は、地方政府と市役所との関係がうまくいっていて、街から30分以内に大きなショッピングセンターを作らせないと合意していたことです。さらに、1970年半ばから歩行者が歩けるようにしていたので、歩行者が増えても大丈夫だったことです。
 CCMがコーディネイトできたこと、4−5社の小売、不動産、交通、駅、銀行、ラジオ局それぞれが、自分たちがうまくやっていきたいということで努力できたことが有利な点です。
 マークス・アンド・スペンサーは、全体として統一すべきだということでマネジメントセンターに資金を提供しています。1750万ポンドを投資してストア、駐車場センターなどの設備を一緒に作りました。
 CCMのために、犯罪をできるだけ抑えるという警察の協力もありました。
 また、買い物環境を作った市役所がキーポイントになっています。
   1.歩道美化など、環境をクリーンにするシステムを変えた
   2.ショートステイ駐車ができるパーク・アンド・ライドを作った
   3.古い建物の再利用(銀行・工場を住宅に)
 2.5キロ平方に午前10時半から午後4時半まで車が入れない規約を作りました。
 広場・お城・サイクルレースなどのイベントがあります。
 1300の小売業者がいます。メインのステアリンググループ(お金を払って会議に出席して発言できる)の影響力もあります。
 たとえば、中央広場を車禁止にしようと市役所が提案しましたが、ステアリンググループが反対しました。
 各店はハンギングバスケット、クリスマスなどの飾り付けをCCMから買います。テイクアウト店には店前にゴミ箱を自費で置くように頼んでいます。強制ではありません。
 市役所は10年前には廃墟であった元スーパーマーケットの建物にあります。現在は1階はアーケードになっており、商店がテナントとして入っています。市役所は2階を借りています。
 2年後にパブリックトランスポートの1つであるトラムが通ります。
 ノッティンガムは人口30万人です。これに75万人の買物客(注:レギュラーといっていましたので、普段の買物客)が訪れます。クリスマスなどにこれ以外の客が訪れます。

 ロンドンが700万人、ノッティンガムが100万人、バーミンガムが100万人です。
 バーミンガムは80年代から街づくりに力を入れています。
 バースは10万人ですが、ローマの浴場蹟があり、商店街が歩道化されています。
 リバプールは市が2−3年前から活性化を進めています。


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